流れ星 第4話

心を開きはじめる梨沙とマリアへの告知。

相変わらず複雑な人間関係が交錯して物語が進んでいく様は面白かった。物語の進展のための偶然の出来事の偶然の程度も適度で無理なく楽しめる。

しかしいくつか、登場人物の心境が納得できない点もあった。まず、神谷医師がただの医者という以上の設定はないのに、善人すぎること。僕のイメージする普通の医者は、たとえ善良であってもあそこまで患者に関わろうとはなしない。

次に梨沙が簡単に心を開きすぎること。もともとあまりいい人には見えなかった梨沙が、健吾たちに料理をふるまったり、自分を犠牲にしてまで健吾の家族を守ろうとするのは無理があるように感じた。健吾の家庭に自分にないものを見て憧れたこと、夜の二人きりでの会話、妹を愛する健吾の姿を素晴らしいと思ったこと、など理由はあるだろうが、もともと健吾と梨沙の関係はお互いに自分の利益だけを考えて作られたものであって、それを覆すほどの決定的な理由はあるようには思えなかった。

同様に健吾が梨沙を助けようとする理由も、似たような理由でいまいち納得できなかった。

現実には人の心境の変化は日常の積み重ねから起こってくるものだけれど、物語の場合は、決定的な理由がないと、日常の積み重ねだけからでは受け手に心境の変化を納得させることはできないと思う。

まあ全体的には面白いけど。