第1話

上がり目のアイドルと落ち目の大学生。美術などが丁寧で、季節感と時代の雰囲気が感じられる作りなのは良かった。でもそれが好きかと言われると素直に肯定はできない。特に時代は1986年と言うことで、深夜アニメの視聴者からすれば自分の両親の青春時代を見せられているようなもの。そんなものは誰もみたくないと思うがどうなんだろう。その時代ならではのエピソードとか見せてくれるといいんだろうけど。冬の表現もアニメ的なファンタジックな表現ではなく、どちらかと言えばテレビドラマ風のリアルな物で、自分の好みではなかった。

ストーリーも救われない主人公の境遇と重苦しい人間関係が描かれるばかりで、さらにBGMや演出がそれに輪をかけて堅苦しく、息がつまりそうだった。そういった好みの問題を別にしても、始終BGMと演出が自己主張しすぎてフィクションであることを強く意識させられるのは、ドラマの基礎となるリアリティを弱めてしまってるのではないかと思う。

総じて出来の良い悪い以前にカテゴリーエラーを起こしている作品にしか見えないけれど、それでもこれだけ力を入れて作って放送しているからにはそれなりの自信があるということだろうので、期待してもいいのかも知れない。