第1話

典型的な痛いオタクの真に迫った描写と、日常の中に非日常が垣間見える構成が素晴らしく、本気で見入ってしまった。

拓巳は思考パターンや内面のセリフなどが、単なる一般的なオタクのイメージに基づいたものではなく、本当にネットにのめり込んでいる人らしく描かれていて素晴らしかった。一般的なオタクのイメージだとオタクというのはまともな思考ができない変人として描かれるだけだけど、実際にはオタクはオタクなりに現実と折り合いをつけて筋の通った考えをしてるわけで、そういった筋の通し方をきちんと描くことが、リアルなオタクを描くためには大切だと思う。

例えば一般的なイメージではオタクはエロゲにあるような出会いが現実に存在すると考えているように思われるだろうけど、実際にはオタクはその劣等感から一般人以上に自分を常識人であると思いたいがために、過剰にエロゲ的な出会いが非現実的なものだと考えようとする。そういう思考パターンがこの作品ではちゃんと捉えられている。

構成も最初は日常的な生活が描かれていて、それから少しずつ異常な事態の片鱗が視聴者に見えてくるのが魅力的だった。こういうサスペンスはなかなかアニメではお目にかかれない。

それにしても主人公が三次元の人間と見なしているキャラクターが、視聴者から見たら典型的な二次元キャラにしか見えないというのは、なんとも複雑な気分。

第1話を見る限り非常に気合いの入った出来のいいシリーズのようなので、是非期待したい。