第5話

相変わらずどこまでも陳腐な内容。しかしだからこそ、作品世界を抵抗なく自然に受け入れられ、その中で生きる人間の感情にも自然に入り込める。例えば部屋から落とされそうになって「助けて」というカットの沙姫。これまではギャグキャラだったのが突如真剣な表情を見せるわけだが、その転換に全く違和感がなく、本気で恐怖を感じていることに自然に共感できた。これはあまりにも全体の表現が馴染みの深いものであるためにキャラクターの存在を自然に受け入れられるからだと思う。

僕はそんな風にキャラの感情に不意に共感してしまうような瞬間を求めてアニメを見ているわけであって、だからこのアニメは僕にとっては、その陳腐な見かけに反してかけがえのない作品かもしれない。