アニメは芸術か?

芸術と言う言葉が共通言語として流通しているのは「本当に優れたもの」という幻想があるあるからであって、結局のところいつの時代も芸術と言うのは制度に過ぎない。

本当の芸術があるとすれば、それは九割九部、極一部の誠実な知識人と、素直さだけが取り柄の語るべき言葉をもたない大衆によって、ほとんど流通しない言語で勝手に語られては消えて行くものでしかない。

そもそも芸術が真実ならば、それは制度というフィクションの陰に存在するのが正しい姿ではないのか?

それでも本当の芸術は時代の試練を生き残ると言われるが、僕はそんなものは信じていない。そんなことより今の自分の感性と判断力を最大限に信じて今しか得られない体験を大切にしたい。

そんなことを言えるのも、そんな体験を作るためだけに(決して制度に迎合するためではなく)命をかけている作り手がいるように、どうしても感じられて仕方ないからだ。


追記:もちろんその制度が彼らの言葉を妨害することはあるわけだが、問題があるのはその背景にシステマティックな目的意識が認められる場合であって、そういうときは行動を起こしてしかるべきだと思うが、今回の件はそんなものは微塵もない偶然の産物にしか見えない。もしもそうでないにしても、それは部分的にそうだというだけであって、全体としては現在の制度は正当にも表現者に都合よくできているのだから、結局のところなんてことない話なんじゃないかと思う。気まぐれな逸脱にいちいち付き合ってると、本当に大切なことを見失ってしまいます。