第2話「ソニックダイバー」

音羽たちが軍に入隊していく過程が、ゆっくりと丁寧に描かれていて、キャラクターたちの性格の理解も深まったし、日常から非日常への変化に自然についていくことが出来て、とても良かった。電車に乗って迎えを時間をかけて待って、車で現地に行って挨拶をして、といった過程は省略したければいくらでも省略できるのだろうし、早くメカでのアクションを見たいと視聴者としては思うのだが、感情移入のしやすさやリアリティの強化という点では非常に重要な過程。例えば電車の中で食べているみかんが一つ目から二つ目になったという表現は、ここで視聴者は作品内に現実の時間が流れてることを感じ、視聴者の現実と作品内の現実のリアリティの差を埋める掛け橋となるように思う。

キャラ描写も素晴らしく、音羽、瑛花、可憐それぞれの性格が見事に対比的に描かれていた。例えば軍の規律を重視するクールな瑛花、それに対して厳しそうな人だと受動的な反応を示す引っ込み思案な可憐、その瑛花に対して表面的な性格以上のものを読み取る、ポジティブで能動的な音羽。キャラ描写の出来がいいと、過去や大切な人などの複雑な設定は余計なものに思えてきたりもする。

ソニックダイバーの設定は、アイドルマスターに続いて、機械に機械以上人間未満の心のようなものがあることを匂わせるもの。アイドルマスターと比較しながら作品を考えてみるのも面白いかもしれません。