第2話 「ジアース」

暗い。とにかく暗い。テレビに出てることを喜んだり、ロボットに名前をつけたりすることなどがまったくマンガ・アニメ的でないリアルな子供っぽさで、それが淡々と描かれていて自分の子供の頃の痛い記憶を刺激されてるような気分になる。アニメでは二度と戻らない少年時代を描くことによって大人の視聴者のノスタルジーを喚起するのは良くあるけど、これは子供の頃の思い出したくない部分、いわば負のノスタルジーを喚起させる。キャラデザ的にも素朴でアニメっぽくないし、キャラの性格付けもアニメ的なパターンが見られないし、演出も大げさなものがなく、そういったいやな感じをどうしても感じる。

ロボットが街を壊す描写が妙にリアルで、これはアニメにしてはやりすぎだと思ったけど、最後のあの衝撃的なシーンを見るに至って、狙ってやってることがわかった。そのシーンはあんまりリアルでトラウマになりそう。この表現は効果的だけど、特に優れたものでも独創的なものでもなく、誰でも思いつきそうなものだと思う。やったところで見てて嫌になるものが出来るだけだから誰もやらないんだろうが、それをあえてやるこの作品は一体どこを目指してるんだろうか。これがはったりでなければ大傑作の予感。