第1話 「学美星人、あらわる。」

新作を出す度に度に評価の落ちて行くufotableの新作。これがダメだったらもうufotableはブランドとして信頼できなそう。この回は出来としては微妙なところ。

作画、アニメーションはさすがにufotableだけあってクオリティが高いが、アクションに関してはいまいちはったりが足りないというか勢いが足りない。フタコイオルタナティブのあのすごいアニメーションを作る能力はどこに行ってしまったんだろう? かみちゅ風に表情の微妙な変化をアニメーションで表現しようとしているが、いまいち感情が表現しきれていないように見える。

キャラクター達はまだいまいち魅力的に見えない。主人公の学美は元気のいい女の子という設定であることはわかるが、水泳で回りから奇妙に思われてるのに一人で喜んでるところや、校歌を聞いただけで学校を好きになってしまうことなどからは、ただの白痴にしか思えない。堀江由衣は非常に良くやっていると思うが、設定や脚本の段階でキャラの出来が悪ければ宝の持ち腐れである。平野綾ツンデレキャラはあっけなくデレの面を晒してしまいツンデレとして気の抜けたキャラであるといわざるを得ない。他のキャラは先生も含めて大体わかりやすく、多少は興味がもてたかな。しかしくじびきアンバランスのわかりやすくてすぐに好きになれるようなキャラに比べれば、明らかにキャラクターの魅力は弱い。まあキャラクターに関してはもうしばらく見てみないとはっきりと良し悪しはわからないけど。

もっとも微妙なのは脚本。先生の講演で世界観を説明したり、学美と光香の出会いのシーンでお互いの性格を示したりするなど良く考ているのはわかるのだが、どうも空回りしてるように思える。まず最初のプールのシーンはスクール水着のファンサービスをしたい以外にプールである必然性が全く感じられない。要は主人公が遅刻してきて破天荒な行動を取ればいいんだから、ただの授業でも他のスポーツでも良かったはずである。さらに夏であることを示さずにプールのシーンを示されると視聴者としては困惑する。校歌を聞いただけで学校を好きになってしまう学美は不自然だし、歌を歌っただけで生徒会長として認めてしまう生徒達も不自然である。さらに一話な内で主要シーンであるプールのシーンと生徒総会のシーンがほとんど関連がない。まあキャラの紹介とか世界観の説明とかあるから必ずしも統一性のある脚本がいいともいえないんだが。

総じてかなり不安な滑り出しだといえる。いろいろと野心的な試みをやるのはいいが、ufotableには肝心のお話としての面白さを忘れずに作ってほしい。ドッコイダーのような楽しい作品をまた見たいと切に思う。

脚本:金月龍之介 絵コンテ:平尾隆之/高橋タクロヲ 演出:平尾隆之 作画監督:高橋タクロヲ