ひぐらしのなく頃に*1

何を思ったのか自分でもよくわからないけど、「ひぐらしのなく頃に」の原作をここ2ヵ月ぐらいで最初から祭り囃子編(第8話)までプレイした。(総プレイ時間80時間以上。「面白かった?」という疑問は野暮というものです)

いろいろと言いたいことはあるけど、この作品のあり方をひと言で表すと、作者もいっている通り、「エンターテイメント」だといえると思う。エンターテイメントというのは、その典型的な表現として、例えば、意表をついた展開や派手な演出、ピンチからの危機一髪での脱出などが挙げられるような作品のあり方である。

次に重要なこの作品の特徴を挙げるなら「突っ込みやすさ」というのが挙げられるだろう。もちろん謎の解決を明示的に受け手に委ねてるという点でもそうなのだけれど、同人ゆえの粗っぽい作り、スタッフルームにおける作者の思想の表現、そして壮大なミステリであるということ。多くの特徴が、受け手側から何かを言いたくさせるようなものになっている。

「壮大なミステリ」であるという言い方には注意が必要だろう、多くの人はこの作品のミステリとしての突っ込みやすさがあるとすれば、作品のミステリとしての作りの甘さに起因すると考えると思う。しかし実際の所、どれだけ完璧で矛盾のないミステリだったとしても、これだけ壮大な物語であれば、十分な理解ができない人間がやはりミステリとしての欠点を挙げるように思われる。つまり壮大な物語であれば、それの出来如何に関わらず、受け手は突っ込みやすくなってしまうのである。そして「ひぐらし」をつっこみ安くさせてる原因があるとすれば、物語がミステリとして完全か不完全かではなく、単に物語が壮大であるということが大きいだろう。

こういったの突っ込みやすさは、2chやブログなどのコミュニケーション手段の発達もあり、受け手が作品を楽しむことに大きく貢献したと思われる。

このように、この作品の主要な特徴が「エンターテイメント」であることと「突っ込みやすさ」があることが、様々な特徴付けができる中で「ひぐらしのなく頃に」の最も重要な特徴だと、僕は思う。